パソコンを売ろうと思って、まず「いくらで売れるか」を調べていませんか。
その前に、決めておいたほうがいいことがあります。
私は買取店の宅配買取部門で5年以上、査定を担当していました。
パソコンのほか、ゲーム機や家電なども含めて月500件以上。
その中でパソコンを見続けて分かったのは、機種によって査定でつまずく場所がまったく違うということです。
つまずく場所が違えば、出すべき相手も変わります。
この記事では、機種ごとに「どこを見られているのか」を整理します。
読み終える頃には、自分のパソコンがどのタイプで、何を確認してから査定に出せばいいのかが分かるはずです。
査定は「型番で決まるパソコン」と「中身で決まるパソコン」に分かれる

査定の手順そのものは、どの機種でも同じです。
型番を確認して、その型番が中古市場でいくらで売れているかを調べて、状態に応じて調整する。
この順番は変わりません。
ただし、最初の「型番で調べる」で終わる機種と、そこで止まってしまう機種があります。
型番で決まるパソコンは、誰が見ても同じ金額になる
メーカーの完成品で、同じ構成のものが中古市場にたくさん流通している機種。
こういうパソコンは、型番を入れれば実際に売れた価格が並びます。
あとはそこから逆算するだけなので、査定する人が誰であっても、大きくは変わりません。
中身で決まるパソコンは、見られる人が限られる
一方、型番を調べても同じものが出てこない機種があります。
自作パソコンのように、そもそも型番が存在しないもの。
カスタマイズされていて、同じ構成の出品が見つからないもの。
この場合は、中に入っているCPU・メモリ・グラフィックボード・ストレージを一つずつ確認して、パーツごとに値を積み上げていくことになります。
手間がかかるだけでなく、パーツの価値を判断できる人でないと進められません。
査定の手順そのものを詳しく知りたい方は、別記事で5段階に分けて解説しています。
買取店では、品目ごとに詳しいスタッフがいます。古着に強い人、トレーディングカードに強い人、といった具合です。判断が難しい商品は、その担当のところへ回ります。仕組みとしては正しいのですが、そのぶん一度手を離れることになります。
だから「どこに出すか」が効く機種と、効かない機種がある


ここまでの話を、業者選びに置き換えます。
型番で決まるパソコンなら、どこに出しても金額は大きく変わりません。
同じデータを見て、同じように計算するからです。
差が出るのは、中身で決まるパソコンのほうです。
パーツを一つずつ見られる体制があるかどうかで、結果が変わります。
「専門」と名乗っているかどうかでは、判断できません
ではどう見分けるか。
看板の文言では判断できません。
中の体制は、外からは見えないからです。
代わりに、体制があるなら必ず表に出てくるものを見てください。
- パソコン専用のページを持っているか
- 機種ごとの買取価格表を公開しているか。そして、その更新日が新しいか
- 買取実績に機種名・構成が書かれているか。日付が新しいか
- パーツ単体・周辺機器も買取対象にしているか
細かい価格表を維持するには、機種ごとの相場を追い続ける人が必要です。
パーツ単体を買い取るには、パーツの価値が分かる人が必要です。
続けられているという事実そのものが、体制の証拠になります。
逆に、パソコンのページが一枚だけで、価格表もなく、実績も品目名しか書かれていない。
そういう業者は、中身で決まるパソコンの相手としては不安が残ります。
この見方で実際に各社を比較したものは、別記事にまとめています。
【一覧】あなたのパソコンは、どちらで決まるか


代表的な機種を、決まり方の順に並べました。
上に行くほど型番で決まり、下に行くほど中身を見られます。
| 機種 | 決まり方 | つまずくポイント |
|---|---|---|
| Surface | 型番 | PC買取とタブレット買取で金額が変わる |
| Mac | 型番 (例外あり) | カスタマイズ機は同スペックの出品がない |
| レッツノート | 型番+ 中身の確認 | 申告と実物がズレる |
| ゲーミングPC | 型番または中身 | メーカー品なら型番、そうでなければパーツごと |
| 自作・BTO | 中身 | 最初からパーツごと |
ここから、それぞれを一つずつ見ていきます。
Surface|同じ機種が、2つのカテゴリで扱われている


Surfaceは、査定側から見ると難しい機種ではありません。
正直に言うと、特別扱いはしていませんでした。
型番を調べて、相場を見て、普通に値を付けていた記憶があります。
つまずくのは、査定する側ではなく出す側です。
Surfaceは、パソコン買取の会社でも、スマホ・タブレット買取の会社でも扱われています。
同じ端末が2つのカテゴリにまたがっているので、どちらに出すかで見る人が変わり、金額も変わります。
プロセッサの種類による価格差など、申し込み前に確認しておきたい点もあります。
Mac|カスタマイズ機は、比較対象が見つからない


Macは、基本的には型番で決まる機種です。
流通量が多いので、標準構成のまま買った個体なら、すぐに相場が出ます。
ただし例外があります。購入時にカスタマイズした個体です。
メモリやストレージを増やして注文したMacは、同じ構成のものがオークションに出ていないことがあります。
そうなると比較対象がないので、査定に時間がかかります。
この層は、業者による差が出やすいところです。カスタマイズ分を評価してもらえるかどうかは、その業者がどこまで売れるルートを持っているかによります。
結果として、Macは業者間の買取額の差が、もっとも大きく開くカテゴリです。
公式の下取り制度という比較の基準もあるので、そちらとあわせて別記事で扱っています。
レッツノート|申告ではなく、起動して確認されている


レッツノートは、同じ型番でも構成の幅が広い機種です。
CPU・メモリ・ストレージの組み合わせによって、買取額が大きく変わります。
ここでお伝えしておきたいのは、査定する側の実務です。
申込時の申告内容は、参考にはしますが、そのままは使いません。
必ず起動して、実際の構成を確認します。
申告する方が必ずしもパソコンに詳しいとは限らないからです。
悪気なく間違っている、というケースは珍しくありませんでした。
ですから、仮査定の金額と実際の査定額がズレる原因が、ここにあることもあります。
自分の構成を正確に把握してから申し込むと、この行き違いを防げます。
ゲーミングPC・自作・BTO|型番で決まるものと、中身で決まるものがある


この3つは、査定の流れが地続きなのでまとめて扱います。
メーカーの完成品なら、型番で調べられる
ゲーミングパソコンは、二つに分かれます。
ドスパラやマウスコンピューターのような、名前の通ったメーカーの完成品。
これは型番で調べられます。
同じ型番の中古がどれくらいで売れているかを見れば、目安が出ます。
そうでない場合は、中身を見ることになります。
そうでなければ、パーツを一つずつ確認する
実際に確認していたのは、この4点です。
- CPU
- グラフィックボード
- メモリ
- ストレージ(SSD)
これを一つずつ調べて積み上げていきます。
つまり、パーツの相場が分かる人がいる店でないと、正しく評価されません。
自作PCには、型番という逃げ道が最初からない
自作したパソコンには、そもそも型番がありません。
ですから、最初からパーツを一つずつ見るしかありません。
この記事で扱っている機種の中では、業者の体制が金額に出るタイプです。
ただし、どの店でも全部を見てもらえるわけではありません。
一般的なリサイクル店では、パーツを一つずつ評価できる人がそもそも多くありません。そうなると主なパーツだけを見て判断することになります。パーツの集合として見てもらえるかどうかが、ここでの分かれ目です。
なお、高価なパーツを積んでいる場合は「本体まるごと売るか、パーツにばらして売るか」という別の判断も出てきます。
結論だけ先にお伝えすると、手間や売れ残りのリスクまで含めれば、本体まるごとが現実的です。
詳しい判断基準は下の記事にまとめています。
どちらであっても、相場が出ない機種はある


ここまで「型番で決まる」「中身で決まる」と分けてきましたが、どちらにも当てはまらない場合があります。
型番はあるのに、その型番の中古がほとんど流通していない機種です。
取引の記録が少ないと、売れる価格の見当がつきません。
そういうとき、業者は安全側で値を付けます。
読み違えたときの損を避けるためです。
珍しい機種を持っているのに安く見積もられた、という場合は、ここが原因のことがあります。
機種別の買取についてよくある質問
まとめ|機種で変わるのは相場ではなく、見られ方
- 査定の手順はどの機種も同じ。型番で調べて終わるか、中身を見るかで分かれる
- 型番で決まる機種は、どこに出しても大きくは変わらない
- 中身で決まる機種ほど、業者の体制が金額に出る
- 体制は看板では分からない。価格表・実績・パーツ買取の有無で確認する
- 自分の機種がどちらかを知ってから、査定に出す
自分のパソコンがどう見られるかが分かれば、どこに出すべきかも決まります。
そのうえで、実際の業者を比べてみてください。





