パソコンを売ろうと調べていると、「持ち込み」「宅配」「出張」と3つの方法が出てきます。
そこで多くの方が最初に気になるのが、どの方法がいちばん高く売れるのかではないでしょうか。
「直接持ち込んだほうが高いのでは」「宅配だと足元を見られそう」。
そう感じる方は少なくありません。
私は以前、中堅リサイクルショップの宅配買取部署で、毎月500件以上のリユース品を査定していました。
同じ会社に店頭買取の部署もあり、出張買取もおこなっていました。
その立場から先にお伝えすると、私がいた会社では、どの方法で売っても買取金額は同じでした。
この記事では、なぜ同じだったのかという理由と、では何で選べばいいのかを、査定する側にいた立場からお話しします。
私がいた会社では、買取方法で査定額は変わりませんでした

まず結論からお伝えします。
私が在籍していた会社には、宅配買取の部署と店頭買取の部署があり、担当は分かれていました。
出張買取もおこなっていました。
そのうえで、査定の方法も、買取価格も、買取できるかどうかの基準も、3つですべて同じでした。
宅配だから高い、店頭だから安い、といった違いはありません。
なぜ同じなのか。出口が同じだからです
理由はとてもシンプルです。
宅配で買い取った商品も、結局は同じお店の売り場で売るからです。
買取価格は「買い取ったあと、いくらで売れるか」から逆算して決まります。
売る場所が同じなら、どこから仕入れても同じ基準になるわけです。
実際、宅配で査定に迷ったときは、店頭のスタッフに「これはいくらで売れますか」と確認していました。
実際に売っている人が、いちばん確かな答えを持っているからです。
店頭で断るものが、宅配なら通ることもありません
もうひとつ、よくある誤解にも触れておきます。
「宅配のほうが基準がゆるいのでは」と考える方がいますが、これもありませんでした。
店頭で買取できないものは、宅配でも買取できません。
理由は同じで、売り場で売れないものを宅配で買い取っても、結局売れずに残るからです。
これは決まりごとというより、現場の力学の話です。
宅配で基準をゆるめて買い取ってしまうと、売り場から「これ売れないよ」と言われて終わりです。実際に怒られます。だから基準を変えようがありません。
宅配で買い取ったものも、最後は同じ売り場に並びます。
入口をゆるくしても、出口は変わらないということです。
ただし、これは会社の方針によります
ここまで「同じでした」と書いてきましたが、これは私がいた会社の話です。
すべての業者が同じとは限りません。
とくに出張買取は、スタッフが自宅まで出向くぶんのコストがかかります。
そのコストを買取価格に反映している会社があってもおかしくありません。
ですので、方式によって金額が変わるかどうかは、申し込む前に確認しておくと確実です。
判断のヒントとして、ひとつ覚えておいてほしいことがあります。
違うのは「現金を受け取るまでの速さ」と手間


金額が変わらないなら、何で選べばいいのか。
現場から見ると、方式の違いは現金を受け取るまでの速さとかかる手間に集約されます。
そこに、あとで効いてくる2つの軸(複数社で比べられるか、断りやすいか)を足すと、こう整理できます。
| 持ち込み(店頭) | 宅配 | 出張 | |
|---|---|---|---|
| 現金化 | その場で現金 | 承諾後に振込 | その場で現金 |
| 手間 | 店まで運ぶ | 梱包・発送 | ほぼなし |
| 複数社で比べる | 何店も回ることになる | 順番に送るだけ | 現実的でない |
| 断りやすさ | 持ち帰ることになる | 金額を見てから断れる | その場で判断 |
| 対応している業者 | 実店舗のある業者 | 多い | 少ない |
持ち込みは、その場で現金
店頭に持ち込むいちばんのメリットは、査定から支払いまでがその場で完結することです。
金額に納得できれば、その日のうちに現金を受け取れます。
急いで現金化したい方には、これが最大の利点になります。
宅配は、思ったより遅くありません
一方で、宅配は「送ってから何日も待たされそう」というイメージを持たれがちです。
ただ、現場の実際はもう少し早いです。
私がいた会社では、商品が届いた翌日には査定を終えて、お客様に連絡していました。
金額に承諾をいただければ、その日か翌日には振込です。
キャンセルの場合も同じで、当日または翌日には返送していました。
ただし、これは混み合っていないときの話です。
繁忙期は査定までに時間がかかり、時期によっては1〜2週間ほどお待たせすることもあります。
多くの業者は、遅れる場合に事前に案内してくれます。
急いでいるなら、申し込む前に今どれくらいかかるかを聞いておくと確実です。
出張も、その場で現金
出張買取も、その場で査定して、その場で現金という形が基本です。
自宅まで来てもらえるので、運ぶ手間もかかりません。
ただし、出張には別の注意点があります。これは後ほど詳しくお話しします。
方式で金額が変わらないなら、あとは業者選びです。
目的別に比較した記事を用意しています。
持ち込み(店頭)が向いている人


ここからは、方式ごとに向いている方を整理します。
まず持ち込みは、こんな方に向いています。
- 今日中に現金がほしい方
- 梱包や発送が面倒な方
- その場で質問しながら決めたい方
対面なので、「なぜこの金額なのか」をその場で聞けるのも利点です。
注意したいのは「どこに持ち込むか」
ただし、持ち込みには気をつけてほしい点があります。
近いからという理由だけで店を選ばないことです。
以前、私が「パソコン強化買取」とうたうリサイクルショップに、そこそこスペックの高いノートパソコンを持ち込んだことがあります。
提示された金額は、まさかの300円でした。
査定担当が型番をざっと調べただけで、中のスペックをきちんと見ずに、低い相場を当ててしまったのです。
もちろんキャンセルしましたが、ここで持ち込み特有の問題が出ます。
持って帰らなければいけないということです。
宅配なら金額を見てから断っても返送してもらえますし、家から出る必要もありません。
持ち込みの場合は、運んだ労力がそのまま無駄になります。
ノートパソコン1台ならまだしも、デスクトップやモニターを運んだあとだと、それなりに堪えます。
持ち込むなら、パソコンを主力で扱っている店を選んでください。
宅配が向いている人


宅配は、こんな方に向いています。
- 近くにパソコンを専門に扱う店がない方
- 複数の業者に出して比べたい方
- 店に行く時間が取りにくい方
とくに、複数社に査定を出して比べたい場合は宅配が現実的です。
何店舗も持ち込んで回るのは大変ですが、宅配なら順番に送るだけで済みます。
同じ機種を複数台売るときは、先に問い合わせを
宅配ならではの注意点をひとつお伝えします。
同じ型番のパソコンを、何台もまとめて送る場合です。
宅配買取では、同じ機種が何台もまとめて届くことがあります。
店頭ではまず起きないパターンですが、宅配だとときどきありました。
このとき、2台目以降は買取価格が下がることがあります。
理由は、同じ商品が複数あると売れにくいからです。
1台なら売り切れても、同じものが5台あれば在庫として残りやすくなります。
下がり幅は商品によりますが、多くても半額程度で、値段がまったく付かなくなることはありませんでした。
1〜2割の下げで収まることもあります。
そして、台数のルールがあるわけではありません。
たとえばMacのように中古需要が高い機種なら、5台あってもそのままの価格で買い取ることがありました。
判断の基準は台数ではなく、その店がそれを売り切れるかどうかです。
事前に「同じ機種が◯台あるのですが」とお問い合わせをいただいた場合は、その時点で「2台目以降は価格が下がります」とお伝えしていました。
何も伝えずに届いた場合も、査定後に「2台目以降はこの金額になりますが、いかがしますか」とご連絡して、了承をいただいてから買取していました。
納得できない場合は、1台だけ買取して、残りは返却という分け方も可能でした。
ただし、これは業者によって分かれます。一部だけの返却に対応していない業者もあるので、送る前に確認しておくと確実です。
出張が向いている人と、頼む前の注意点


出張買取は、こんな方に向いています。
- デスクトップやモニターなど、運ぶのが大変なものがある方
- 台数が多く、まとめて手放したい方
- その場で現金を受け取りたい方
運ぶ手間がなく、その場で現金を受け取れるという、持ち込みと宅配のいいところを合わせた方式に見えます。
実際、問い合わせは多く、需要のある方式でした。
出張には、慣れたスタッフが来ます
出張買取に行くのは、査定に慣れたスタッフです。
私がいた会社でも、責任者に近いレベルの人が担当していました。
理由は、その場で現金を払うと後戻りできないからです。
宅配なら、査定に迷ったときは他の担当者や売り場に確認する時間があります。
ですが出張では、お客様の目の前でその場で判断しなければなりません。
だから、迷わず判断できる人しか出せないのです。
注意点①:断りにくい
出張でいちばん気をつけてほしいのが、断りにくさです。
その場で査定して、その場で支払う形なので、持ち帰って考える時間がありません。
そして、わざわざ自宅まで来てもらった以上、「やっぱりやめます」と言いにくいと感じる方は多いはずです。
宅配なら、金額を見てから落ち着いて断れます。
店頭なら、持ち帰るという選択ができます。
出張だけは、断るときの心理的なハードルが高いのです。
対策はシンプルです。
- 先に宅配か店頭で、1社ぶんの金額を知っておく(比較の基準ができます)
- キャンセルできるか、費用がかかるかを申し込み前に確認しておく
金額の目安を持っていれば、その場で提示された額が妥当かどうかを判断できます。
注意点②:出張に対応できる業者は限られます
もうひとつ、業者選びの話です。
出張買取は、体制が整っている会社にしかできません。
理由は2つあります。
ひとつは、先ほど書いたとおり行けるスタッフが限られること。
もうひとつは、遠方まで出向くこともあるため、人員と移動の余裕が必要なことです。
実は、私がいた会社も出張買取に力を入れようとした時期がありました。
買取件数を増やしたかったからです。
ただ、結局あまり続きませんでした。
問い合わせは多かったので、需要はありました。
それでも、人と体制の面で回しきれなかったのです。
裏を返せば、出張買取をきちんと続けている業者は、それができる体制を持っているということになります。
サイトに「出張対応」と書いてあっても、実際に対応できる範囲や条件は業者によって差があります。
相見積もりを取る人は、実はあまりいません


方式が決まったら、最後にもうひとつだけ。
査定は、2〜3社に出すのが現実的です。
ただ、査定する側にいた実感としてお伝えすると、そこまでやっている方は、あまり多くありません。
というのも、「他社ではいくらだった」とお客様から言われたことが、ほとんどなかったからです。
多くの方は、1社に送ってその金額で決めています。
逆に言えば、2〜3社に出すだけで、多くの人がやっていないことができるということになります。
宅配なら、順番に送るだけで比べられます。
査定が無料の業者がほとんどなので、増えるのは待つ時間だけです。
よくある質問
まとめ:方式ではなく、業者で選ぶ
最後に整理します。
私がいた会社では、持ち込み・宅配・出張のどれを選んでも買取金額は同じでした。
宅配で買い取った商品も、結局は同じ売り場で売るからです。
つまり、方式は「金額」で選ぶものではなく、「自分の都合」で選ぶものです。
- すぐ現金がほしい・運べる → 持ち込み
- 複数社を比べたい・近くに専門店がない → 宅配
- 運ぶのが大変・台数が多い → 出張(ただし対応業者は限られます)
そして、方式で金額が変わらないということは、金額を左右するのは業者そのものだということになります。
だからこそ、2〜3社に出して比べる意味があります。
パソコンを主力で扱っていて、パーツまで見てくれる業者を選ぶ。これが、方式選びよりずっと大きな差になります。
方式が決まったら、次は業者選びです。
査定する側にいた立場から、目的別に5社を比較しました。





